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マーケティング担当がいない会社が最初にやるべきこと|正しい順番は「課題把握→情報収集→施策」

マーケティング担当がいない会社が最初にやるべきことは、広告やSNSといった施策を始めることではなく、「自社の課題を把握する→課題について情報収集する→課題に合った相談先や施策を選ぶ」という順番で進めることです。順番が逆になると、効果があったかどうかを判断できないまま費用だけが積み上がりやすくなります。ここでは、専任の担当者がいない状態でも社内だけで進められる3つのステップを整理します。

この記事でわかること

  • 「とりあえず施策」から始めると失敗しやすい理由
  • 専任者がいなくても進められる「課題把握→情報収集→判断」の3ステップ
  • 相談するか自分でやるかを決める判断軸と、避けたい3つの進め方

「とりあえず施策」から始めると失敗する理由

課題が曖昧なまま手段から入ると、効果が出たかどうかを判定できず、相談先を選ぶ基準も持てないためです。何をやるかより、どの順番で決めるかで結果が変わります。

専任の担当者がいない会社ほど、「まず広告を出してみよう」「SNSを始めよう」といった手段の話から検討が始まりがちです。手段が先にあると、次のようなことが起こります。

  • 効果を判定できない。何を狙っていたかが定義されていないため、原因が商品なのか、集客の量なのか、サイトの内容なのかを切り分けられない
  • 依頼先を比べる基準がない。解決したいことを言えなければ、「安いから」「感じがよかったから」で決めることになりやすい
  • 予算配分を決められない。候補が複数あっても、どれを優先すべきかの根拠がない

施策そのものが悪いのではなく、順番の問題です。課題→情報→施策の順に進めれば、同じ予算でも判断の精度は上がります。ここから紹介する3つのステップは、いずれも外部に頼らず社内だけで進められます。

ステップ1:自社の課題を把握する

深い分析は必要ありません。「いちばん困っていること」を一言で言える状態にするだけで、次に進むには十分です。

市場調査やデータ分析から始める必要はありません。まずは、次のうちどれが自社の状況に近いかを選ぶ程度の粒度で構いません。

よくある困りごとと課題の切り分け方
感じている困りごと 考えられる課題の所在 次に確認したいこと
売上が足りない 目標と現状の差が数字で見えていない 何件・いくら分の取引が足りないか
問い合わせが少ない 見込み客に届いている量が足りない 月に何人が訪れ、何件が問い合わせに至るか
集客はあるが成約しない 見込み客の質、または提案内容やサイトの中身 問い合わせから受注に至る割合とその推移
集客コストが高い気がする 1件獲得するのにいくらかかっているかを把握できていない かけた費用÷獲得件数(=CPA。成果1件の獲得にかかる費用)

※ 現時点で数字が出せなくても問題ありません。「分からない」ことが分かるだけでも、次に何を調べるかが決まります。

数字が出せない場合は「体感」でよい

正確な数値がなくても、「去年より問い合わせが減っている気がする」といった体感で構いません。重要なのは、困りごとを1つに絞って言葉にすることです。「売上を伸ばしたい」ではなく「問い合わせが月◯件では足りない」まで具体化できると、以降の調べものが楽になります。

新規事業なら「競合」と「使える予算」をざっくり掴む

新しく立ち上げる事業には、比較対象になる実績がありません。この場合は「同じような商品・サービスを提供している競合は誰か」「月いくらまでかけられるか」の2点をおおまかに掴むところから始めます。競合はWeb検索で数社を挙げるだけでも、価格帯や訴求のしかたの傾向が見えてきます。

ステップ2:課題について情報収集する

課題が言葉になっていれば、何を調べればよいかが決まります。この段階の目的は詳しくなることではなく、「選択肢と相場観をつかむこと」です。

必要なのは専門知識ではなく、「自社の課題を解決する方法にはどんな選択肢があり、それぞれいくらぐらいかかるのか」を大まかに知ることです。コツは3つあります。

1. 手段名ではなく、課題の言葉で調べる

「Google広告 やり方」ではなく、「問い合わせが少ない 原因」のように困りごとの言葉で検索します。手段名で調べると、その手段を売っている側の情報ばかりが集まり、そもそも自社に合うのかを判断できません。

2. 1つの情報源を鵜呑みにしない

支援会社が発信する記事は、自社サービスに近い結論に寄ることがあります。悪意というより立場の違いによるものですが、読み手としては複数の情報源を突き合わせる必要があります。立場の異なる3件程度に目を通し、共通して書かれていることを確からしい情報として扱うと、大きく外れにくくなります。

3. 自社と規模感の近い事例を見る

年商や広告予算の桁が違う事例は、そのままでは参考になりません。月に数百万円の広告費を前提とした手法は、月30万円の予算では再現できないことがあります。事例を読むときは、前提となる予算・体制・期間が書かれているかを確認してください。

この3点を意識して数時間調べるだけでも、どんな打ち手があり、費用の相場がどのくらいかの見当はつきます。ここまで来れば、自分で試すにしても誰かに相談するにしても、判断の土台ができている状態です。

ステップ3:「相談する」か「自分でやる」かを決める

判断軸は「時間が取れるか」「課題の切り分けに自信があるか」「失敗コストを許容できるか」の3つです。どちらが正しいということはなく、自社の状況で決まります。

自分でやる/相談するの判断軸
判断軸 自分でやるほうが向いている 相談したほうが向いている
時間 週に数時間、継続して手を動かせる 通常業務で手一杯で、学習と実行の時間を取れない
課題の切り分け 何が原因かの見当がついている 原因が複数考えられ、どこから手をつけるか決められない
失敗コスト 外しても事業への影響が小さい金額・期間で収まる 予算が限られ、やり直しの余地が少ない

3つのうち2つ以上が右側に当てはまるなら、外部への相談を検討する段階です。左側が多いなら、まず自社で小さく試したほうが費用も学習効率も見合います。

課題が言葉になっているだけで、相談の質が変わる

「何をやればいいか分からない」と伝えるより、「問い合わせが月◯件で目標に届いていない。原因が集客の量なのかサイトの内容なのか判断できていない」と伝えるほうが、返ってくる提案は具体的になります。相談を受ける側も、課題が特定できていれば的確な提案を組み立てられますが、情報がなければ一般論にとどまりがちです。ステップ1と2は、相談するかどうかにかかわらず無駄になりません。

初回無料の相談枠を情報収集に使う

支援会社の多くは、初回の相談を無料で受け付けています。発注を前提としたものではなく、現状のヒアリングと方向性のすり合わせに使われる場です。複数社に同じ課題を説明して見立てを比べれば、それ自体がステップ2の情報収集になります。検討段階であることを最初に伝えておくと進めやすくなります。

やってはいけない3つのパターン

「課題を決めずに複数施策を同時に始める」「流行っているからで手段を選ぶ」「課題を共有しないまま丸投げする」の3つは、費用対効果を判断できなくする典型的な進め方です。

1. 課題を決めずに複数の施策を同時に始める

広告・SNS・サイトリニューアルを一度に始めると、問い合わせが増えても何が効いたのかが分かりません。成果が出なかった場合もどれをやめるべきか判断できず、費用だけが続きます。順番を決めて1つずつ効果を見るほうが、遠回りに見えて早く答えにたどり着きます。

2. 「流行っているから」で手段を選ぶ

新しい媒体や手法は目に入りやすいものですが、自社の顧客がその媒体を使っていなければ成果にはつながりません。判断すべきは話題性ではなく、「自社の顧客がどこで情報を探しているか」です。

3. 課題を共有しないまま丸投げする

「専門家に任せたのだから、あとはお任せ」という進め方では、提案の前提が自社の実態とずれても気づけません。実行を任せる場合でも、目的と判断基準(何がどうなれば成功と見なすか)は自社が持っておく必要があります。毎月共有される数字のうちどれを見て判断するのかを依頼前に決めておくと、認識のずれを防げます。

よくある質問

課題がそもそも分からない場合はどうすればいいですか?
分からない状態のまま相談して問題ありません。「何が課題か分からない」と最初に伝えれば、現状のヒアリングから一緒に整理する進め方になります。用意しておくと話が早いのは、直近1年の売上の推移、月あたりの問い合わせ件数、現在使っている集客手段の3点です。数字が正確でなくても構いません。
情報収集にはどれくらい時間をかけるべきですか?
数時間から数日程度が目安で、詳しくなること自体を目的にしないほうが進みます。選択肢と大まかな相場が分かった時点で、次のステップに移って構いません。調べる期間が長引くほど判断材料は増えますが、そのぶん意思決定は遅れます。動かしてみないと分からないことも多いため、一定のところで区切るのが現実的です。
相談は有料ですか?
初回の相談は無料としている会社が多く見られます。一般的には、現状のヒアリングと大まかな方向性の提示までが無料の範囲で、詳細な調査や資料作成を伴う場合は有料の契約に切り替わります。どこまでが無料かは会社によって異なるため、申し込む前に確認しておくと安心です。
小さく始めるなら予算はいくらから必要ですか?
施策によって幅がありますが、広告の場合は検証用のテスト配信として1媒体あたり月30万円前後を目安とするケースが多く見られます。ただし業種や競争の状況によって必要額は変わるため、金額から決めるのではなく目標から逆算するのが基本です。詳しい考え方は広告予算の決め方の記事で解説しています。

まとめ

  • 最初にやるべきことは施策を始めることではなく、「課題把握→情報収集→判断」の順で進めること。
  • ステップ1では深い分析は不要。いちばん困っていることを一言で言えれば足りる。新規事業なら競合と使える予算をざっくり掴む。
  • ステップ2は手段名ではなく課題の言葉で調べ、複数の情報源を突き合わせ、規模感の近い事例を見る。目的は選択肢と相場観の把握。
  • ステップ3の判断軸は「時間」「課題の切り分け」「失敗コスト」の3つ。課題が言葉になっていれば、相談しても自分でやっても精度が上がる。
  • 課題を決めずに複数施策を同時に始める、流行りで手段を選ぶ、課題を共有せず丸投げする、の3つは避ける。
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